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創業者の思い

 お客様の所にお掃除でお伺いした時に、お掃除のメニュー表をお渡ししています。A4で12枚のファイルです。その中に「創業者の想い」という文章を入れております。

私がどういう経緯でお掃除を始めて、どういう思いで取り組んでいるかを書いている文章です。それを紹介します。

 私が清掃業を始めたのは13年前からです。51歳の時でした。転職を考えていた時に、これから一体何をしたらいいものかと色々考えました。そして自然と導かれたと言いますか、お掃除の仕事を選んでいました。

42歳の時に出会った「掃除に学ぶ会」の影響がとても大きかったのではないかと思っています。素手で1時間もかけて便器を磨く、その体験にとても感動しました。

それまでは、思ってもみなかった便器に対する感謝の思いが・・・

清掃業を始めてからは、それまでの土日祝日休みの生活とは一変しました。朝から晩まで掃除一筋。全く休みの無い毎日。それでもそんな生活が全く苦にはなりませんでした。

お掃除をした後に、お客様に喜んで頂いた声をいただける、これ程やりがいのあることはありません。ただ、清掃業者とはいえ、知らない人を自宅に入れる事は、誰でも抵抗があると思います。そんな不安な気持ちを少しでも安心していただける様に、明るい挨拶・気持ち接客サービスには、特に気を付けています。それでも気になる点がございましたら、何なりとご指摘下さい。私どもが提供させて頂くお掃除を気に入って頂き、お友達にも是非紹介したい、そう思って頂ける事が私どもの最大の喜びです。

               創業者の思い ザ・そうじ職人 谷川典生

以上の文章ですが、経歴等をもう少し詳しく書きたいとおもいます。

昭和34年生まれの福井県坂井市出身です。大学卒業後勤めたのが衣料品スーパーでした。福井が本社でしたが、最初の勤務先が石川県でした。その時から石川県で過ごしています。

27歳で転職して、ユニフォーム製造販売の会社に入社。とても気に入っていた会社でしたが、7年後には倒産寸前となりました。その時に私は地元のお客様を引き継いでユニフォームの小売販売業として独立することになりました。

34歳で独立して始めた仕事もリーマンショックやその後の状況の変化により49歳の頃にはこれ以上は続けるのが難しくなってきました。転職に抵抗はなかったのですが、次の仕事をどうして良いのか分からずにズルズルと時が過ぎていき、いよいよ厳しくなった時に、求人誌で見つけたのがお掃除の仕事でした。

その時にこれだと思ったのです。ユニフォームを販売していた時のお客様でしたので、お願いしてお手伝いさせて頂く事になりました。

その時のお掃除の仕事というのは、マンションの退居後の清掃でした。一ヶ月程一緒にさせて頂き、それからは一人で注文を受けたお部屋に行ってお掃除するだけの毎日でした。丁度東北の大震災があった年の1月から始めて、7月からはそれまでしていたユニフォーム販売業の仕事は完全に止めて清掃業として取り組む事になりました。

ですから、清掃業と言っても大した経験もなく始めたという感じです。最初の切っ掛けとなった知り合いの会社は2年後位に仕事を辞める事になり、私は孫請けから下請けとなり10年間同じ仕事をメインで続けることになりました。

掃除の仕事を始めてから、生活は一転しました。朝から晩まで、現場に行って掃除して帰ってくるというだけの毎日。誰とも会わずに、まるで山にこもって修行でもしているような感覚でした。しかし、そのことに何の不満もありませんでした。というよりそれまでは、世間体を気にしたり、流れにまかされて生きていたように思いました。

 掃除の仕事に出会い、初めて自分で自分の人生を選んで生きているような気持ちでした。そしてそれが天職と思えました。
 仕事しかない生活になりましたが、幸いにも子供は手を離れ、親に遊んで欲しいという年齢を越えていたので、それも良かったです。

 子供の頃、毎日朝から晩まで働くだけの両親の姿を見ていて、人生とは一体何なのか? 生きる意味は何なのか? ずっと疑問でした。
私の両親は、農業と機業の兼業農家でした。朝はもう6時頃には仕事を始めて夜は9時過ぎまで仕事をしていました。休みと言えば、お盆と正月の3日位でた。母親がテレビを見ている姿を見た事はありません。いつも仕事しかしていない両親。何を楽しみに生きているのか? 子供の成長だけが楽しみなのか? そんな風に思っていました。
ただ、仕事ばかりの毎日でしたが、喧嘩もすることのない仲いい両親でした。そんな両親に育てられながら感謝することもなく、当たり前の様に過ごしていました。両親がどういう思いで毎日過ごしていたかは分かりませんが、社会人になってからは、私の生き方として、仕事は楽しくなければ仕事じゃない。人生は楽しまなくてはいけない。そんな風に思っていました。

 ある日、いつものように仕事をしていて、ふと気づいた事がありました。朝から晩まで仕事だけの毎日。両親と同じだ。そうか、両親も、与えられた仕事を淡々とこなしていただけなんだ。そこに不満とか、楽しみがどうだとかじゃなくて、必死だったのかもしれない。自分は両親から真面目に働く事の大切さを教えてもらったのかもしれない。

高校を卒業した息子は、家のすぐ近くのパチンコ店に勤めたのですが、僅か1年程で退社。その後しばらく何もしない日々を過ごしていたので、息子にお掃除の仕事を手伝ってもらうことにしました。

しかし、若い男に風呂掃除やトイレ掃除にやり甲斐を持って出来るはずもなく、この仕事では将来性がないと思い、下請けの仕事から卒業する事を目標にして3年、色々取り組んで直接のお客様からの仕事を頂けるようになりました。

それまでは、単にお掃除をするだけの毎日でしたが、直接のお客様からのお仕事ですと、喜んで頂けるのでやり甲斐があります。

今では、下請けの仕事は殆ど無くて、エアコンクリーニング・ハウスクリーニング・クリニックの定期清掃の仕事をしています。