エアコンの冷えが悪いと感じて、お掃除をすれば改善されるのではないかと思ってお掃除を依頼されるお客様がいらっしゃいます。

確かにお伺いしてエアコンを見てみますと、フィルターがホコリで完全に目詰まりしていたり、熱交換器もホコリで一杯になっている場合には、クリーニングでかなり改善されると思います。

しかし、エアコンの冷えが悪いと感じる場合には、ガスが減ってる場合や電気系統の不具合による故障もありますので、そういう場合にはお掃除しても改善されません。

では冷えが悪いと感じた場合に、どこが原因なのかを探る方法を紹介します。

まず、エアコンの設定温度を最低にして、風速を最大にします。その時にエアコンの吹き出し口に手を当てて冷たい風が出ているかどうかを確認します。

冷たい風が出ているのに風量が少ないとか、送風ファンの音が大きいと感じた場合には、フィルターがホコリで目詰まりしていたり、ファンが汚れている可能性が高いので、お掃除をすることで改善されます。

次に風が出ているけれどあまり冷たくは無いと感じた場合には、故障の可能性があります。その場合には外に出て、室外機は動いているか？　確認をします。そして室外機から温かい風は出ているのかを確認します。　運転してから15分くらいの動きを見ます。

室外機は動いている又は動いているけど途中で止まる場合や室外機が動かない場合には電気系統の異常の可能性が高いです。

　その場合には一度エアコンを止めて、電源を落としてから２．3分待ってからコンセントを抜きます。その後3分間放置して再度コンセントを入れて先程と同様に設定温度最低風速最大で冷房運転してみて、もう一度室外機が動いているかの確認をします。

やはり動かない場合には、電気系統の故障の可能性が高いので、電気屋さんやメーカーに一度見てもらう必要があります。電気系統の故障の場合は基盤の交換が必要になるかもしれません。

次に室外機が動いていて風はでているけれどけど温かくない普通の風だと感じた場合ですが、冷媒系統の故障の可能性が高いです。つまりガス漏れとか配管のつまりが原因の可能性が高いです。

その場合には、やはり電気屋さんかメーカーにお願いして一度見てもらう必要性があります。

何となく温かい風が出ている様な気もするけれども、微妙な感じがしたらガスが減っている可能性があります。

ガスが漏れる原因もいくつかあります。最も多いのが設置した時の配管の接合部分からのガス漏れです。設置する時には室内機と配管とを接合するのが一ヶ所と配管と室外機を接合する場所が一ヶ所の二ヶ所あります。

その接合部分からのガス漏れの原因が最も可能性としては多くなります。長年に掛けて少しずつ漏れて行って段々ガスが少なくなり、何となく効きが悪くなってきたと感じる場合には、その可能性が高いです。

それ以外にも、本体の配管に穴が開く事もあります。エアコンクリーニングをする場合にはてアルカリ洗剤を使うのですが、しっかり洗い流さないと、その洗剤で配管を腐食させてしまうこともあります。ご自身でエアコンのクリーニング用のスプレーを使ってお掃除した場合にも、しっかり水で洗い流さないと配管を腐食させることになります。

配管の途中ででガスが漏れているという可能性もない事もありませんが、どちらかというと少ないと思います。いずれにしても一度専門家に見てもらう必要があります。

只、ガス漏れの原因を探り、ガス漏れの場所を特定してガスを補充するという作業は簡単ではありません。どこから漏れているのか、冷えない原因は何なのかを見つけるにはかなり時間を要しますし、特定できずに、本当にその場所なのかをしっかり見つけられずに、単にガスを補充していくだけの業者だったとしたら、ガスを補充した後しばらくは冷えが良くなったと感じても数日後にはまた依然と変わらない感じになってしまったという事もよくある話です。

以前、お掃除のご依頼がありお伺いしたお客様ですが、エアコンを分解してみた所本体の配管からガスが漏れているのを発見したことがありました。お客様とお話ししてみたところ、一ヶ月前にエアコンの効きが悪い為に業者にガスを入れてもらったとおっしゃっていました。

その業者は本当のガス漏れの場所を特定できずに、可能性のあるつなぎ目の配管の接合をやり直してガスを入れたのではないかと思われます。実際に本体からの配管のガス漏れを見つけるのはかなり難しいと思いますので、発見できなくても仕方ないともいえますが、その場合でもガスの補充代として数万円しっかり請求されますので、年数の経ったエアコンの場合にはエアコンの修理代に数万円払って直すのか、新しく買い替えるのかの検討は必要です。

業者に見てもらって、直してもらったのにまた直ぐにエアコンが効かなくなったとなったらバカバカしいですからね。