年に数回ですが、特殊清掃の依頼があります。孤独死の現場だったり事件現場だったりします。そういう現場の場合は精神的にきつい事があります。
孤独死の現場の場合には、死臭が大変です。体液がフローリングに染み込んでいますと、その部分を完全に取り除かないと絶対に臭いは消えません。化学床材の場合には体液を取り除くと臭いが殆ど無くなることも多いです。私がお掃除に入る時には部屋の物が何もない状態になった段階でお掃除に入りますが、現場によっては臭いがかなり酷い場合があります。そんな時にはガスマスクをして作業します。部屋にはハエの死骸が多く残っていたりもしますので、孤独死の現場だと直ぐに分かります。
もう一つが事件現場です。こういうのはめったにないのですが、一度はホテルであった殺人現場のお掃除に入った事がありました。女性が刺されたらしいのですが、思ったほどには血は無かったです。
で、今回はマンションんで起きた社員同士の飲み会で起きた事件らしい。詳しい事は勿論分かりませんが、現場はとんでもない状況でした。流石に事件現場の写真は載せられませんが、LDKとトイレとお風呂場に大量の血がありました。
60キロの体重の人の体には約5リットルの血液が流れていすそうです。その20%の1㍑の出血すると危篤状態になり、30%の1.5リットルが出血すると死亡するらしいのですが、それ位の出血があったのではないかと思わせる程の血液が床に固まっていました。
血液は直ぐに固まりますので、ヘラで乾いた血液を取り除いて、後は専用の洗剤で拭き上げるしかありません。最初に現場の写真を見た時には2時間程度で終わるかと思っていたのですが、4時間も掛かってしまいました。
最初の頃は淡々と作業をしていたのですが、流石に長時間になると段々と精神的にきつくなってきました。
こういう現場のお掃除は誰も喜んでする人はいないと思いますので、依頼が有ったら断る事無くお受けするようにしています。勿論私一人でです。
この写真のLDK一面に大量の血液があって、大量のお酒と割れたコップが有るのを想像しますと、酔っ払って喧嘩になってコップで相手の頭を叩きつけて、割れたコップで頭皮から大量の血液が流れたのではないかと。救急車で運ばれたのか? 大丈夫だったのか心配になる現場でした。
「怒りは無謀をもってはじまり後悔をもって終わる」という言葉がありますが、気を付けたいものです。