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エコキュートの仕組みと追い炊き配管清掃

エコキュートは空気の熱を利用して効率的にお湯を沸かす事の出来る環境に優しい給湯器ですが、構造を理解していなくて、メンテナンスを全くしていない方も多いかと思います。それで今回はエコキュートの仕組みをを知って頂いて、お掃除が必要な理由も書いていきます。

上図でも分かるように、エコキュートは左側のヒートポンプユニット部分で水を温めます。空気と熱交換器・コンプレッサーを使って水を温めます。温まったお湯は約90度になりますが、そのお湯が貯水タンクの中に貯められます。タンクの中は下が水・中間が60度位になり上の方が90度程度になります。

その高温になったお湯をお水と混ぜて設定温度にして排出されます。浴槽に自動で湯はりを開始しますと、設定した温度のお湯が出てきます。そして設定された量になりますと、自動でお湯が止まります。

フルオートタイプのエコキュートの場合には、追い炊き・保温・足し湯・高温足し湯等の便利な機能が付いています。

追い炊き機能というのは、浴槽に溜まっているお湯が冷めた時に使う機能ですが、浴槽のお湯をポンプで貯水タンクに戻して高温になっているお湯と熱交換器を使って冷めたお湯を温め直してから浴槽にお湯が戻ってきます。そのお湯というのは元々浴槽に溜まったお湯であって、人が浸かったお湯ということになります。となりますと、当然ですが皮脂とか垢とか雑菌などが混ざったお湯となります。

ただ、その汚れたお湯が貯水タンクのキレイなお湯と混ざる事はありません。長年追い炊き機能を使用していますと、汚れたお湯の汚れが配管の中に付着していくので、追い炊き配管清掃を定期的にしないと、汚れた配管の中を汚れたお湯が通って帰ってきたお湯ということになりますので不衛生とも言えます。

追い炊き機能を使用しますと、貯水タンクの残量湯が減る事がありますが、この残湯量というのはお湯が単に減ったのではなくて、設定温度で使用出来るお湯の残量が減るという事です。浴槽内の冷えたお湯を追い炊き機能で温め直す時に、貯水タンクの高温のお湯を使用しますので、その時にタンクのお湯の熱を奪う為にお湯の残量が減るという訳です。タンクのお湯そのものを使用したのではなくて、タンクのお湯の熱を使用したという形です。

追い炊き機能を使用する事で無駄な水道水を使用することが無い為にとても便利な機能でもあります。特に寒い冬とか家族が多くて入浴の時間が長くなる場合等はとても便利です。いつでも丁度良い温度のお湯を利用する事ができますからね。また追い炊きは一から水を温めるのではなくてある程度温まっているお湯を、温め直す為に必要最低限の電気代で済ますことが出来るといえます。

エコキュートには保温という機能があるのもありますが、この機能は自動で追い炊きをして常に設定温度を維持する機能となります。とても便利ですが長時間お風呂を利用しない時間が続きますと電気代がかかってしまいますので、入浴の時に追い炊き機能を使用する方が良いかもしれません。

エコキュートには足し湯という機能と高温足し湯という機能もあります。それはどちらも貯水タンクの中のお湯を浴槽に供給するものです。足し湯は設定した温度でお湯を出します。高温足し湯は約90度のタンクの高温のお湯を出します。浴槽の中のお湯がかなり冷めてしまった場合に使用します。足し湯も高温足し湯もどちらも貯水タンクのキレイなお湯ですから、その機能しか使わないで、追い炊きを使用しない場合には追い炊き配管のお掃除をする必要はありません。

水道代や電機代等の光熱費をトータル的にみた場合には高温足し湯が最もお得ともいえます。追い炊き配管のお掃除も必要ありませんし、貯水タンクの熱いお湯を浴槽に供給するだけとなりますので。

循環アダプターが汚れていますとお湯が通りにくくなってしまいますので、定期的なお掃除が必要です。ビス3本で外すタイプと上の写真のようなのもあります。上の方のつまみをラジオペンチで引っ張りますと循環アダプターが外れますので、取り外してお掃除して下さい。歯ブラシ等で簡単にお掃除できます。

追い炊き機能を使用していても、配管のお掃除をしていない場合には上記の写真のような汚れが配管の中に付着している可能性があります。追い炊き機能を使用する場合には定期的なお掃除が必要です。年に一回をお勧めしております。

追い炊き配管清掃の価格は相場で2万円程度かと思いますが、そのお掃除の事も考えますと高温足し湯が最もお得なのかもしれませんね。このような汚れた配管の中を通ったお湯が浴槽の中に入ってるのかと思いますと、ちょっと気持ち悪い感じがします。目には見えませんので意識しなければ分かりませんが。

風呂釜洗浄のご提案をしたお客様からご依頼があって、同じような施工をした結果、全く汚れが出ないという事がありました。理由は追い炊きを全く使っていなくて、足し湯しか使っていないからです。お客様は風呂釜洗浄とお聞きした時に風呂釜を使っているので、お掃除が必用なのではないかと思ってのご依頼でしたが、汚れが無いのでお聞きしたとこと、全く追い炊きは使っていないとのことでした。追い炊きを使っている時の汚れと全く使わない場合の違いがよく分かる事例になりました。

貯水タンクには常にお湯が溜まっている状態になります。そのタンクの中のお掃除は残念ながらお掃除する事は不可能です。ポットを見てみると分かりますが、ポットの洗浄剤が販売されている事でも分かりますが、水垢が溜まっています。エコキュートの貯水タンクも同じことです。違いは貯水タンクの中のお掃除は出来ないということです。説明書には3カ月とか半年に1回のタンクの水抜きが必用とありますが、されをされている方はあまりいないようです。ただ浴槽に白っぽい物が混ざるようになった時には、貯水タンクの水抜きをしてみる必要もあります。