
滅多にないのですが、室外機のお掃除を依頼されることがあります。室外機のみのお掃除ではなくて、室内機のお掃除の時に室外機もお願いしますという感じです。
お客様が室外機のお掃除をすることの効果が分かっていてご依頼されるのであれば特に問題は無いのですが、どちらかと言いますと多分室外機をお掃除する事で室内の空気が良くなるとか、エアコンの効きが良くなるとかと思っていらっしゃるのではないかと思います。
それでご依頼があった時には、室外機をお掃除する意味を説明するようにしております。説明しますと大体が、そんなにも意味がなさそうなので止めておきますとなります。
単に売り上げを考えるのであればわざわざ断られるような事は言う必要がないのですが、お客様にとって得にならないと分かっているお掃除を受けるのは違うのではないかと思って、しっかり説明をしております。
さて室外機ですが、お掃除をする場所となりますと、写真にあります、熱交換器と言われる部分と写真には写っていませんが、送風ファンのお掃除になります。
熱交換器は室内機にもありますが、室内機にある熱交換器はカビや埃が付着しています、室内の空気を吸い込むことでホコリを吸いカビが発生します。ただ、カビは意外と熱交換器には付着しません。その理由はアルミで出来ている為に素材が固くてカビの根っこが付着しにくい為です。反対に熱交換器の下にあります送風ファンはプラスチックで出来ている為に素材が柔らかくてカビが生えやすくなります。室内機をお掃除する意味は室内機に付着したカビホコリを除去することですから、それをしないと汚れた空気を吸う事になりますので、大きな意味があります。」
室外機の場合には送風ファンがありますが、熱交換器の前に付いていますのでカビが生えにくとも言えます。そして形もシンプルです。また熱交換器は室内にあるのと比べますとかなり大きくなります。外の空気を吸い込んでも室内の様なホコリはありません。ですから室内機にはフィルターがありますが、室外機にはフィルターはありません。
お客様の中には、室外機をお掃除することで、室内の空気も綺麗になると思っている方もいらっしゃるのですが、室外機をお掃除しても室内の空気とは関係ありません。室外機と室内機は配管を通してガスが行ったり来たりしているだけです。
室外機の設置場所がとても空気が悪くて、熱交換器が非常に汚れている。設置場所が悪くてホコリやゴミを吸い込みやすいという場所であるのであれば、室外機をお掃除する必要があります。お掃除しないとエアコンの効きが悪くなるからです。しかしそのような場所に設置してある室外機をこれまで見たことがありません。
という事で、多少の汚れは当然付着しているとしても、お掃除しても特に変化はないと思いますので、大体の場合には費用対効果から言いますと、あまり必要がないと思われます。
もしかしたら、エアコンの効きが良くなるとか電気代が安くなるとか言って、積極的に室外機のお掃除を勧める業者がいるかもしれませんが、私どもは売り上げの為に不要なお掃除を勧めたくはありません。
同じ様な事で言いますと、抗菌コートを積極的に勧める業者もいると思います。エアコンクリーニング代を安めに設定して、抗菌コートを付けて価格を上げるという方法です。これも室外機と同じですが、抗菌コートの効果をしっかりと説明してどれだけの期間効果があるのかをお客様に納得して頂いて施工するのであれば良いのですが、一旦売ってしまったら二度とは来ることもないと思って、抗菌コート剤をエアコンが濡れた状態でサッとスプレーして3000円とかで販売して、何でも売ったら勝ちみたいな仕事はしたくはありません。無料で施工するのであれば特に問題はないのですが。
私どもはエアコンクリーニングをして儲けたいのではなくて、エアコンクリーニングを通してお客様に喜んで頂きたいと思っておりますので、喜んで頂けないような仕事はしたくはありません。
逆に喜んで頂く為には、出来る限りのサービスをさせて頂いております。それが送風ファンやドレンパン・ファンモーター・電装部も全て外してお掃除することでもあります。普通ですとここまで外した場合には別料金としている業者が多いと思いますが、私どもではこれを通常の施工としております。エアコンをキレイにするには必要な事だと思っているからです。機種によって外せない事もありますが、出来る機種では必ずそういう施工をしております。その分時間が掛かるのですが、納得したお掃除をしたいからです。